効率的で効果的な本の読み方

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文化庁が2008年に行った調査によると、1ヶ月に1冊も本を読んでいない人は国民の半数に及ぶ。メディアが多様になり、情報を入手する手段が増えたものの、本の情報発信力やその扱いやすさは健在だ。本をよりたくさん読むための、またより深く読むためのtipsをまとめた。

はじめに

「本を読む」というと、小説など文学作品の読書を連想することが多いが、今回は特に技術書、ビジネス書などの実用書についての本の読み方について考察している。また技能や経験が必要な速読術、多読術の類ではなく、だれでも今日から実践できる工夫をまとめた。

本を選ぶ

ビジネス書や技術書では、楽しむためというよりは必要な情報を得るために本を読む事が多い。その目的を達成できるであろう本をきちんと選ぶことが良い読書のスタートである。

どの本を読むか検討をつける
インターネットで下調べをする
いくつかある候補から絞り込む
書店や図書館で調べる
一歩進んだ本の選び方
関連図書、参考図書から選ぶ

インターネットで下調べをする

近くに書店や図書館がない場合や、そこに赴く時間がない場合はもちろんのこと、書店や図書館に行く前でもAmazonなどで目的の本を探してみるべきだ。このステップを踏むことで、どのような本がどのくらい出版されているのかを把握することができる。また、目次や抜粋が公開されている本も多くあるので有効に活用したい。

書店や図書館で調べる

インターネットで下調べした結果、見つけた本をそのまま購入してもよい。しかし、下調べした本を書店や図書館で立ち読みすることができればさらに確実だ。また、インターネットではうまく見つけることができなかった場合は、希望する内容を書店員や司書に伝え、一緒に探してもらう。「よく売れている本」「よく借りられている本」だけではなく、その分野の名著や定番となっている本を紹介してくれる場合もある。

関連図書、参考図書から選ぶ

すでにいくつか本を読んでおり、それに関連する情報やさらに詳しい情報を得たい場合には、巻末などに掲載された参考図書から本を選ぶのも一つの方法である。

cf.参照文献の書き方

「本を選ぶ」のポイント

本を選ぶ前に、どのような情報を得るつもりなのかを明確にしておく必要がある。

本を入手する

読む本が決まったら、本を入手する段階である。オンライン書店が躍進し、電子書籍が市民権を獲得しつつある現在、「欲しい本が手に入らない」「値段が高い」「嵩張る」「重い」といった、「本を読まない言い訳」ができない状況になっている。

お金を出さずに本を入手する
図書館で借りる
人から借りる
お金を出して本を入手する
書店で購入する

図書館で借りる

図書館にはたくさんの蔵書があり、その多くは市民や学生であれば無料で借りることが出切る。当たり前のことではあるが、図書館利用頻度は平均して1人あたり年間1.3回と非常に少ない。利用する人は高頻度で利用するし、利用しない人はほとんど利用しないようだ。図書館では最新の本やベストセラーを希望するタイミングで借りるのは難しいが、絶版となった本や古くて書店では扱わない本の取り扱いもあり、積極的に利用すべき公共サービスの一つである。また返却期限が設けられているため、読了するためのモチベーションが維持しやすいのもポイントである。

cf.図書館利用者数

人から借りる

友人、知人から本を借りることもできる。特に職場においては、必要な情報の傾向が似通っているのは必然なため、同僚や先輩、上司から本を借りる機会も少なくないはずだ。人から借りると、図書館で借りるのと同様、「読まなくては」というモチベーションを保つことができるが、本を傷めないことに気を使ってしまう場合もあり、工夫が必要だ。

書店で購入する

街の書店であれ、Amazonなどのオンライン書店であれ、書店で購入するメリットは2つある。ひとつは自分のタイミングで、好きなように本を読むことができることである。ページの角を折る(ドッグイヤー)のも、書き込むのも、破るのも自由だ。もうひとつは「折角お金を出して購入したのだから」という気持ちで本を読もうとすることである。これ故に、買っただけで満足する傾向がある人にはおすすめできない入手方法でもある。

「本を入手する」のポイント

いわゆる「積読(つんどく)」にならないためにも、自分の読書能力をオーバーする分量の本を手元に置かないことが大切だ。焦って読んだ本の内容は身につかない事が多い。

本の読み方

本の読み方に「絶対」はないが、多くの人に有効とおもわれる幾つかのテクニックがある。

効果的な読書のために
目次を読む
章毎に読む
素読する
何度か読む
付箋をつける
効率的な読書のために
順に読むこと、全部読むことに固執しない
あきらめる

目次を読む

本をより良く読むテクニックのなかでもっとも簡単にできるものが「目次を読む」ことである。先に目次を読むことで、本の構成や重要なポイントをあらかじめ掴むことができる。

章毎に読む

多くの本は章立てされている。一度に読む分量を時間やページ数で区切るよりは、章で区切るほうが内容を整理しながら読むことができる。

素読する

「素読(そどく)」は、本来は漢文などを(意味がわからずとも)暗唱できるまで繰り返し読むことを指すが、ここでは「文章の意味を気にせずに読む」という意味を切り取り用いる。理解は次回読むときに、くらいの軽い気持ちで読み、概要をつかむ。

何度か読む

何度か目を通していると、次第に重要なポイントがわかるようになる。最終的には理解を深めるべく、じっくりと読みたい。

付箋をつける

素読の最中からでも、じっくりと読み始めてからでもよいので、重要な箇所には付箋をつけるようにする。付箋を何種類か用意して、重要度や内容によって異なる付箋を用いるのも良い。大きめの付箋であればメモの書き込みもできる。借りた本では書き込みもドッグイヤーもできないので、付箋の便利さが際立つ。

cf.付箋の使い方

順に読むこと、全部読むことに固執しない

本が苦手な(もしくは苦手と思っている)人の多くがしてしまう間違いが「本を最初から最期まで順を追って読む」ことに固執してしまうことだ。また前ページを熟読しなければ気が済まない人も同じ問題を抱えている。実用書の読書では「本を読むこと」が目的ではなく、「情報を得る」ことが目的である。素読で必要だと判断した箇所だけじっくり読めば、それで十分である。

あきらめる

目次に目を通した時点、あるいは素読が完了した時点で、その本を引き続き読むかどうかを一度判断する。自分にとって難しすぎる、または不要だと判断したら、その本を読むのを途中でやめるべきである。購入した本であれば再読リストへ移し、将来の自分(が理解してくれる可能性)に期待するのも良い。

「本の読み方」のポイント

繰り返しとなるが「本を読む」ことが目的ではない。目的の情報を得ることができれば、完読しなくともそれでよしとする姿勢が肝要だ。よりわかりやすい本も、読むべき本も、たくさん存在するはずである。

本を読み終えたら

本を読み終えたら、内容をまとめたり、関連する書籍を見つけることで、知識の固定とさらなる広がりを促す。

知識を固定するために
アウトプットする
知識を広げるために
効率的な読書のために
関連書籍を読む
次の本を手に入れるために
本を手放す

アウトプットする

ブログに書く、SNSで報告する、手帳に書く、人と話す。手段は問わないので、読んだ本についてアウトプットしようとしてみる。読んだ本の内容をうまく説明できないときは、読み込みが十分ではない可能性がある。

再読スケジュールを立てる

素読しかしていない本はもちろんのこと、自分では読み込んだつもりの本であっても、時間を置いてもう一度読んでみると新しい発見があるかもしれない。その本を読むのが自分には早すぎた、と感じた場合は尚更である。

関連書籍を読む

多くの本には参考図書、関連図書が掲載されているはずだ。同じ著者の本を探すのもよいし、気になった情報を掘り下げるもよい。読んだ本を入り口に、芋づる式に知識の幅を広げ、深度を深めることができる。

本を手放す

読み終えた本は再読する予定のあるもの以外、手放してしまっても良いかもしれない。古書店に持ち込んだり、環境さえアレば「自炊」してデジタルデータに変換することもできる。

「本を読み終えたら」のポイント

面白かった本、感銘を受けた本、知的好奇心を満たしてくれた本は、次の「読むべき本」をあぶりだしてくれる。

まとめ

「読書の目的は情報を得ることだ」ということを常に意識すれば、より効率良く、より効果的に本を読むことができる。これは本を選ぶ時、入手する時、読んでいる時、読了後、いずれの段階においても役立つ。

参考

記事のデータ

公開日2012年6月6日
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