色と情報

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色には様々な情報が含まれている。それぞれの想起するモノやイメージを理解し、視覚的なデザインに使うことで、デザインが発信する情報量を増やしたり、情報を構成する要素を減らすことができる。

様々な色が持つ情報

普段目にする様々な色には、それぞれ特有の情報が含まれている。日常生活の中では色の情報を無意識のうちに受け取り、何気なく利用しているが、情報デザインではそれぞれの想起させるモノやイメージを常に意識しなければならない。

「男性=青」「女性=赤」というのは多くの国や文化で共通している色のイメージだと言われるが、このようなケースは稀である。色が持つ情報は、文化や時代、国や地域によって異なる場合がある。

マンセル・カラー・システムの基本5色

赤色・レッド

イメージ
情熱、危険、興奮、革命、勇気、愛国心、怒り、力、攻撃、野蛮、赤字、セール、採点
モノ
火、血、トマト、イチゴ、鳥居、毒、ポスト、消防車、紅葉、口紅、日の丸、スポーツカー
特徴と使い方
赤色は強調や目印として便利な色である。特に利用頻度が高いと思われる、白黒で構成されたデザインには優れたアクセントとなる。度合いの高さなどの表現にも用いられる。
黄色・イエロー

イメージ
軽快、陽気、冗談、明快、親切、不快、乾燥、日光、注意、ポップ、コメディ
モノ
バナナ、アシナガバチ、カレー、重機、光、雷、警告灯、太陽、砂、卵
特徴と使い方
赤と同様、視線を集める効果がある。黄色は白などの明度の高い背景では目立ちにくいため、輪郭線を使ったり、明度の低いものの中で使うことで本来の効果を発揮できる。
緑色・グリーン

イメージ
平和、自然、エコロジー、安全、新鮮、若さ、繁栄、回復、安定、癒し
モノ
葉、野菜、緑茶、メロン、キュウリ、カエル、エメラルド、ピーマン
たとえばこんな情報を伝えたいときに
特徴と使い方
緑色は彩度を上げると現代的な印象に、逆に彩度を下げるとアンティークな印象になる。
青色・ブルー

イメージ
鎮静、清涼、爽快、清純、清らかさ、冷静、内気、悲哀、失望、憂鬱、理知的
モノ
海、空、水、地球、涙、雨、トルコ石、ジーンズ
特徴と使い方
青色は赤色の補色ではないが、赤色の逆の役割を担うことが多い。度合いの低さなどの表現によく用いられる。
紫色・パープル

イメージ
威厳、優雅、気品、王位、心配、権威、好奇、緊張、魅力
モノ
ナス、袈裟、仏具、アメジスト、紫外線、ブドウ、スミレ
特徴と使い方
紫色のもつ気品や高貴さを活かすには、彩度の調整と全体の中での使用割合の調整がポイントとなる。

その他の身近な色

茶色・ブラウン

イメージ
渋さ、老年、高級、練達、豊穣、自然、田舎、素朴、頑固、保守、伝統
モノ
革、毛皮、馬、日焼け、土、ビール、コーヒー、チョコレート、木材、パン、葉巻
特徴と使い方
茶色は「高級」と「素朴」という一見真逆の情報を併せ持つ。これは「歴史がある」ことを共通項としている。
橙色・オレンジ

イメージ
快活、温暖、健康、喜び、元気、騒々しさ、娯楽、実り、夕方、夏、美味しさ
モノ
オレンジ、太陽、柿、ニンジン、カボチャ
特徴と使い方
橙色は食べ物の表現には欠かすことのできない色である。また活発さや元気さを表す色でもあり、赤色や黄色の代替をこなすこともできる。
桃色・ピンク

イメージ
女性、かわいらしさ、甘さ、恋、幼稚、ハート、春、華麗、妖艶
モノ
桃、晴れ着、桜、肉球、リボン
特徴と使い方
桃色は若い女性や幼児、小動物をイメージさせる。色の個性が強いため、白や黒とは相性が良いが、有彩色との組み合わせはぶつかり合う場合があるので彩度や明度を調整する必要がある。

無彩色

白色・ホワイト

イメージ
清潔、潔白、清楚、優美、上品、冷たさ、平和、純情、無邪気、貞操、希望、冬
モノ
雪、雲、ご飯、牛乳、白衣、ウェディングドレス、病院、砂糖
特徴と使い方
白色はすべての色との相性が良い。背景としてはもちろん、有彩色を背景とした時には主役にもなれる。ただ、白の上に白を置く際は輪郭線や影などで存在を強調する工夫が必要である。
黒色・ブラック

イメージ
暗黒、闇、罪悪、死、厳粛、悲哀、神秘、深遠、悲しみ、邪悪、高級、誠実、無個性
モノ
髪の毛、喪服、ノリ、液晶画面、タイヤ、炭、墨、鎧、新聞
特徴と使い方
黒色も白色と同様、すべての色と相性が良い。ただ黒自身が持つイメージはネガティブなものが多いので、使用分量には注意しなければならない。
灰色・グレー

イメージ
平凡、憂鬱、退屈、陰鬱、調和、曖昧、中立、地味、不安、没個性、ハイテク、未来
モノ
灰、曇り空、煙、アスファルト、コンクリート、都会、ネズミ
特徴と使い方
灰色も白や黒と同様、いろいろな色と組み合わせることができる。都会、ハイテクといった、有彩色だけでは表現できない情報をサポートする力をもつ。特に明度の高い色や蛍光色と組み合わせるとスポーティーで未来的な印象をあたえることができ、現代のデザインでは必須の色となっている。

特殊色

金色
お金、宝物、金属、重さ、光、雷、成金、高級、ナンバーワン
銀色
金属、アルミ、ステンレス、腕時計、無機質、高機能
構造色
玉虫、オパール、カモ、不安、不思議、魔法
蛍光色
ホタル、スポーツ、モダン、未来、注目

色で表現できる対極的な情報のまとめ

ここまでは1つの色が持つイメージや連想されるものを紹介してきたが、「暖色」と「寒色」のように、複数の色が共通して保持する情報もある。同じように2つ(あるいは3つ)に分類することができるものをピックアップしてまとめた。

これらの区分に基づいて色が保持する情報は、多くは相対的なものであり、周囲の色の有無や他の色との組み合わせ、見る人の心理状態などによって境界が変化することもある。

暖かさと熱さ、寒さと冷たさ

いわゆる「暖色」「寒色」がもつ情報。その中間にある紫色や緑色は「中性色」に分類される。

暖かい、熱い
赤色、橙色、黄色など
寒い、冷たい
青色、水色、白色など

男性的、女性的

これも「暖色」「寒色」がもつ情報である。また、組み合わせたときにコントラストが高い(明度差が大きい)と男性的で力強い情報、コントラストが低い(明度差が小さい)と女性的で優しい情報を持たせることができる。

男性的
寒色系、明度差大
女性的
暖色系、明度差小

大人らしさ、子どもらしさ、赤ちゃんらしさ

彩度と明度の組み合わさると、年齢を表現できる。

大人らしさ
低明度、低彩度
子どもらしさ
高彩度
赤ちゃんらしさ
高明度、高彩度

興奮、鎮静

暖色と寒色に彩度を組み合わせて、興奮や鎮静の情報を持たせることができる。

興奮
暖色で彩度の高い色
鎮静
寒色で彩度の低い色

進出、後退

暖色と寒色に明度が組み合わさると進出や後退の情報を持つ。

進出
暖色で明度の高い色
後退
寒色で明度の低い色

膨張、収縮

暖色と寒色、また明度によって膨張と収縮の情報を持つ。

膨張
暖色、明度の高い色
収縮
寒色、明度の低い色

軽さ、重さ

膨張、収縮と同じように、明度の違いによって軽さと重さの情報を持つ。明度の両極である白と黒は軽さと重さの両極でもある。

軽い
白、明度の高い色
重い
黒、明度の低い色

柔らかさ、硬さ

明度や彩度の違いによって柔らかさと硬さの情報を持つ。

柔らかい
白、明度の高い色、彩度の低い色
硬い
黒、明度の低い色、彩度の低い色

まとめ

情報を加える

色は非常に沢山の情報を持っている。色をうまく利用すると、形や文字だけの情報に比べて豊かな情報を伝えることができる。通常は伝えたい情報と色の発する情報とが一致することが求められるが、あえてそれを裏切る色使いも面白い。

情報の構成要素を減らす

色はデザインに情報を加えるが、それを利用して情報の構成要素を減らすこともできる。「危険」と書く代わりに赤色を示しても良いし、「男性」や「女性」の文字やアイコンの代わりに青と赤を使用しても良い。ユニバーサルデザインを考慮すると、情報を伝える手段は複数ある方が好ましいが、シンプルなデザインが求められている時や、使用できる表現手法に制限がある場合などには有効である。

色の組み合わせでさらなる情報表現が可能

ここまでで紹介したように、単色であっても豊富な情報を含むが、色を組み合わせる(配色する)とさらにたくさんの情報を表現する事ができる。たとえば「空の色+土の色+植物の色=ナチュラル」「赤色+橙色+黄色+緑色+青色+藍色+紫色=虹」などである。

参考

記事のデータ

公開日2012年8月9日
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