富の未来

データ
- 書名
- 富の未来
- 著者
- アルビン・トフラー、ハイジ・トフラー
- 翻訳
- 山岡洋一
- 出版社
- 講談社
- 発行日
- 2006年6月
概要
人類が生活基盤として作り上げた富の創出、配分、循環、消費、蓄積、投資に関わる「常識」が、劇的に変わり始めている。21世紀の富とは、たんに「お金」だけではない。これは、工業化時代の経済学で理解できるものでもない。脱工業化社会(知識社会)の実態を把握するべく様々な視点で分析し、読者に未来を考え、対処するための強力な思考ツールを提供する。
抜粋
データ、情報、知識を判断する6つのフィルター
日常生活では常に2つ以上の基準を使い分けて判断している。
- 常識
- 人は「常識」を家族や友人、同僚、文化から吸収する。群集心理の核となる基準。
- 一貫性
- あるポイントについて、真実とおもわれる事実との間で一貫性がとれていれば、そのポイントも真実であるはずだ、という規定に基づく。一貫して間違っている可能性もはらむ。
- 権威
- 宗教、報道機関、国家、有名人などによる権威。日常生活で受け入れられている判断基準において多くの部分を占める。
- 啓示
- 神秘的な啓示を基準とする人も少なからず存在する。
- 時間の経過という試練
- 時の試練を耐え、残ってきたものであるかどうか。
- 自然科学
- 唯一、厳密な検証に基づいた基準。自ら修正できる性質を持つが、日常生活では採用される頻度が最も少ない。
現代における様々な組織、制度の変化速度ランキング
- 1・企業
- 競争や技術の革新をベースに、高速で変化。
- 2・社会団体
- 企業連合、職業団体、スポーツ団体、宗教、活動家団体など、変化を求めることを仕事としている団体。
- 3・家族
- 核家族の形態から、結婚していないカップル、シングルペアレント、同性婚など新しい家族制度に移行。
- 4・労働組合
- 肉体労働から頭脳労働に、また会社勤めからフリーエージェントへ、という労働の種類や仕方の変化に対応できていない。
- 5・政府の官僚機構、規制機関
- 5年から10年単位での変化しかできていない。
- 6・公教育制度
- 工業時代の要求を満たす教育成度しか実践できていない。
- 7・国際機関
- IMF、WTOなど数々の国際機関はほとんど変化しない。
- 8・豊かな国の政治構造
- 複雑な知識経済に対応できる制度では無くなっている。
- 9・法律
- 法律業界は変化し続けるものの、法律そのものは全体として大幅に変化することはない。
知識経済における「知識」
- 知識は非競合財である
- 知識は使っても減ることはない。逆に多くの人が使うと新しい知識が生み出されることもある。
- 知識は無形である
- 知識は触ることができないが、扱うことはできる。
- 知識は線形ではない
- 小さなアイデアが大きな成果を生み出すこともある。
- 知識は関係性を必要とする
- 個々の知識はそれを取り巻く他の知識との関係のもとでのみ意味を持つ。
- 知識は移動が簡単である
- デジタル情報に変換すれば瞬時に移動でき、コストも掛からない。
- 知識は抽象的に圧縮できる
- シンボル化したり、圧縮したりすることができる。
- 知識は蓄積に必要な空間が縮小する傾向にある
- 洞窟に描かれた壁画からハードディスクまで、小さくなる方向に変化している。
- 知識には暗黙の形を取るものがある
- ほのめかされたものや共有されているものなど、表現されていないものもある。
- 知識は秘密にすることが難しい
- 知識は必ず広まっていく性質を持つ。
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記事のデータ
文責 | |
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公開日 | 2011年6月23日 |
カテゴリー | |
タグ | 企画と戦略/情報を利用する/歴史/発想法/経営とビジネス |
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