物販の7つの方法

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物販の7つの方法

インターネットとPC、スマホの普及が進むにつれて、ECの利用は販売者(ベンダー)にとっても利用者(ユーザー)にとっても当たり前になった。しかし、商材や運営体制によってはECではないほうが良い場合もある。一般的な物販の方法を7つに大別し、考察した。(渋谷優季/IDIA.JP)

7つの販売方法

  1. 通信販売
  2. 店舗販売
  3. 委託販売
  4. 催事販売
  5. 訪問販売/移動販売
  6. 自動販売
  7. 無人販売

評価基準の解説

  • 初期費用:その販売方法を始めるのに必要な費用や手数料など
  • 運用費用:その販売方法を継続するのに必要な費用や手数料など
  • ベンダーの自由度:営業場所や営業時間など、販売者の制限の度合い
  • ユーザーの自由度:利用するための労力や利用時間など、利用者の制限の度合い
  • 商品の種類と量:その販売方法で扱える商品の種類と量
  • 売上規模:その販売方法で期待される売上の規模
  • 複雑さ:必要な複雑さ、人数など

1:通信販売

いわゆる通信販売。Webを含む様々なメディアで商品を告知し、購入者を募る。EC(アフィリエイト含む)、ダイレクトマーケティング(印刷媒体、電波媒体)など。

評価

  • 初期費用:低
  • 運用費用:低
  • ベンダーの自由度:高
  • ユーザーの自由度:高
  • 商品の種類と量:多
  • 売上規模:大
  • 複雑さ:高

ECでは無料から始められるサービスも多く、費用のハードルは低い。同様に、運用費用も抑えられる場合が多い。店舗を構える必要が無いので、ベンダーの自由度は高い。ユーザーの立場からみてもいつでも注文出来るのはよいが、受け取りに手間がかかるデメリットもある。特にECにおいては、扱う商品数に制限が無いため、ニッチな商品を取り扱うことが出来る(ロングテール)。運用体制さえ整えれば、大規模なビジネスにも対応出来る。一方で、開始や運用には実店舗を構えるのと同等以上の複雑な仕組みを構築する必要がある。

2:店舗販売

店舗を構えて販売する方法。「お店を開く」というとこれをイメージすることが多い。百貨店、スーパーマーケット、ショッピングセンター、コンビニエンスストア、ディスカウントストア、ホームセンター、ドラッグストアなど。

評価

  • 初期費用:高
  • 運用費用:高
  • ベンダーの自由度:低
  • ユーザーの自由度:低
  • 商品の種類と量:多
  • 売上規模:大
  • 複雑さ:高

場所の確保には相当の費用がかかる。また、その場所で上手く行かないからと言って簡単に移転することもできない。主に店舗がある地域の住人がターゲットとなるため、その人数や属性を考慮して、開店場所を決定しなくてはならない。店舗を広くしたり、数を増やすことで商品数や売上を大きくすることが出来る。実店舗の成功には、あらゆるビジネステクニックが求められる。

3:委託販売

自分の店舗を持たず、協力してくれる店舗に商品を並べてもらう方法。他店への委託販売、道の駅、レンタルボックスなど。

評価

  • 初期費用:低
  • 運用費用:高
  • ベンダーの自由度:低
  • ユーザーの自由度:低
  • 商品の種類と量:少
  • 売上規模:小
  • 複雑さ:高

店舗のスペースは非常に貴重なため、協力してくれる店は決して多くない。委託販売の手数料は高額であることが多く、運用費用として換算するとそれなりの額になる。貴重なスペースを間借りしているため、必然的に商品の種類も数も制限される。マーケティングなどは店側に任せることが多い。提携店さえみつかれば商売を始めるハードルは低いが、商品管理の面などで運営が複雑になりやすい。ユーザーの反応を調査するテストマーケティングなどに利用するのは賢い利用方法かもしれない。

4:催事販売

期間を限定して店舗スペースを構えるスタイル。多くはコンセプトやカテゴリーを限定して開催される。イベント出展/イベント主催、フリーマーケット、コミケなど。

評価

  • 初期費用:低
  • 運用費用:低
  • ベンダーの自由度:低
  • ユーザーの自由度:低
  • 商品の種類と量:少
  • 売上規模:小
  • 複雑さ:低

場所は主催者の一存で決まり、あわせてイベントの趣旨に則ったお店や商品でなければいけないのでベンダーの自由度は低い。一方で、イベントのテーマが来場のきっかけとなっているため、ユーザーにとっては一度に多くの(興味のある)お店を見ることができるメリットがある。各事業者に割り当てられたスペースは広くないので、商品を厳選する必要がある。イベントの参加者数が来店者数や売上に直結する。比較的手軽にお店体験をすることが出来る。

5:訪問販売/移動販売

購入者のもとに自ら出向いて商品を販売する。訪問販売、ホームパーティー販売、職域販売、屋台、露店など。

評価

  • 初期費用:低
  • 運用費用:低
  • ベンダーの自由度:高
  • ユーザーの自由度:高
  • 商品の種類と量:少
  • 売上規模:小
  • 複雑さ:低

無店舗販売なのでベンダーの自由度は高いものの、許可や申請が必要な事が多い。事前告知のない訪問販売はユーザーには好まれない。移動が前提なので、必然的に取り扱うことが出来る商品は限られる。それに伴い、莫大な売上は期待出来ない。仕組みは簡単であるが、実際に売り切るためのノウハウは一朝一夕には身につけられない。

6:自動販売

管理者が不在でも販売することが出来る。ネットワーク接続できる販売機も増えており、販売管理だけで無くマーケティング機能をもつものも増えてきている。飲料の自動販売機など。

評価

  • 初期費用:高
  • 運用費用:低
  • ベンダーの自由度:高
  • ユーザーの自由度:高
  • 商品の種類と量:少
  • 売上規模:小
  • 複雑さ:低

自動販売機の無い状態から始めると、初期費用は高額になる。電源さえ確保出来れば設置場所は自由だが、店舗と同様に設置場所を吟味する必要がある。扱える商品数は少ないが、山上の飲料販売機のように利用者の需要を見通すことが出来れば高い売上を記録することもある。単体での運用は簡単であるが、複数の販売機をいろいろな場所で同時に運用しようとすると販売管理や商品補充のシステムは非常に複雑になる。

7:無人販売

よりシンプルな自動販売の仕組み。ベンダーとユーザーとの信頼関係で成り立っている。野菜の無人販売所など。

評価

  • 初期費用:低
  • 運用費用:低
  • ベンダーの自由度:低
  • ユーザーの自由度:低
  • 商品の種類と量:少
  • 売上規模:小
  • 複雑さ:低

自分の畑や住居付近での販売が多く、ベンダー、ユーザーともに自由度は低い。商品数も売上も少ないが、もともと多くの売上を期待する際に採用される販売方法ではない。仕組みはシンプルだが、料金回収をしっかりとしようとするとそれなりのコストがかかり、自動販売機に近くなる。

まとめ

評価比較表

通信販売店舗販売委託販売催事販売訪問販売
移動販売
自動販売無人販売
初期費用
運営費用
ベンダー
ユーザー
商品
売上
複雑さ

考察

  • 現状、多くの事業者が複数の販売方法を並行して行っている
  • 規模、商材、予算、期間、目的に応じて適切な販売方法を選ぶ
  • 販売方法をうまく組み合わせると、それぞれの弱点を埋めることが出来る
  • 安易に「店を出す」「ECを始める」と結論づける前に、他の方法も検討すると良い
  • 販売方法の組み合わせ方によっては新しいビジネスとなる可能性もある

参考

記事のデータ

文責IDIA.JP
公開日2017年4月17日
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