チャンキングとマジックナンバー

人は情報を幾つかずつにまとめて記憶する傾向がある。その「情報のかたまり」の数が4±1(または7±2)であると記憶に留めやすくなる。
チャンキングとは?
人は情報を「かたまり」にして記憶する。これを利用して、情報を短期間で記憶する場合に、情報を幾つかずつにまとめる(=チャンキング)ことで覚えやすくすることができる。
マジックナンバーとは?
人が短期記憶できる「情報のかたまり(チャンク)」の数(チャンク数)は4±1(または7±2)と考えられている。
マジックナンバーは「4±1」か「7±2」か
マジックナンバー(マジカルナンバー)が「7±2」であるらしいことはジョージ・ミラー(アメリカの心理学者)が1956年に発表し、長く定説とされてきた。しかし2001年にネルソン・カウアン(アメリカの心理学者)が「4±1」である可能性を指摘している。
チャンキングとマジックナンバーの例

- 電話番号の区切り
- 3桁または4桁ずつ、3つにチャンキング
- テレビのリモコンの構成
- 3つずつ、3つにチャンキング
- 電話の番号ボタン
- 3つずつ、4つにチャンキング
- ゲームのコントローラー
- 2つから4つずつ、3つ~5つにチャンキング
チャンキングとマジックナンバーの実践
グローバルナビゲーションの項目数
Webサイトで上部や左部に表示されるメニュー(いわゆるグローバルナビゲーション)の項目数がマジックナンバー以下であるとスマートにナビゲートできる。項目数がマジックナンバーを大きく超えてしまう場合は、情報に優先度をつけたり、親子構成にすることで表示する項目数を調整する。
普通もしくは好ましくない | 好ましい |
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カテゴリー数
上記ナビゲーションの項目数と通じるところもあるが、記事の分類や商品の分類を行う際、同じ階層に所属する項目の数はマジックナンバー以下であることが望ましい。
普通もしくは好ましくない | 好ましい |
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屋号やドメイン名
屋号やドメイン名は「音」や「意味」で区切った際、その要素数がマジックナンバー以下であると記憶に残りやすい。必ずしも短い(要素数が少ない)ほうが良いわけではなく、語感や意味の有無も影響する。
普通もしくは好ましくない | 好ましい |
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文章の構成
同格の章や見出しの数をマジックナンバー前後に留めると、読みやすい(理解しやすい)文章になる。
名刺のデザイン
情報を羅列するよりも、内容毎(会社情報、個人情報、連絡先など)に情報をまとめてデザインする。
普通もしくは好ましくない | 好ましい |
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株式会社情報 専務理事 情報アーキテクト 情報太郎 123-4567 東京都情報区1-2-3 info@information.info 0120-123-456 | 株式会社情報 専務理事 情報アーキテクト・情報太郎 123-4567 東京都情報区1-2-3 info@information.info 0120-123-456 |
まとめ
文章でもデザインでも、情報をわかり易く伝えるためには、内容によって適切にグループ化し、それを明らかにすることが大切である。また「マジックナンバー」は万能ではないので、チャンク数以外の影響も判断しながら、適宜増減することも必要である。
参考
記事のデータ
文責 | |
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公開日 | 2011年9月17日 |
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タグ | 情報を整理する/技術と手法/構造化/理論 |
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