明快な文章の書き方

わかりやすく明解な文章を書くことは難しい。伝わる文章を書くために気をつけるべきポイントを5つにわけて解説した。「文章力の基本」の内容をベースに抜粋して加筆。
1:シンプルに書く
短く、簡潔に書くことが明解な文章の基本となる。
- 短く言い切る
- 読点で文章を連続させず、句点で区切る。
- 情報量を制限する
- 一つの文章には一つの情報しか含まないようにする。
- 削れる言葉を探す
- 同じ言葉の重複や似た表現の繰り返しを避け、できるかぎり削る。
- 英語で書いてみる
- 相対的に文章力の落ちる英語で書いてみると、文章の骨格を浮かび上がらせることができる。
2:わかりやすく書く
主題を明らかにし、文章同士のつながりも曖昧にしないことがわかりやすい文章につながる。
- 整理する
- 主題は何か、どんな構成かを整理してから書く。
- 曖昧にしない
- 批判を恐れて漠然と抽象的な文章にしない。
- 主題を早めに提示する
- 一番伝えたいことを文章の序盤で書く。
- 修飾語や指示代名詞を適切に使う
- 修飾語は被修飾語の直前で使う。指示代名詞は文脈の誤解が生じないことが確実な時以外は用いない。
- 箇条書きを使う
- 箇条書きはわかりやすさ、みやすさに優れる。
- cf.箇条書きの7原則
- 読点を効果的に打つ
- 読点が望まれる文章のポイントは以下のとおり。
- 長い主語、長い術後、長い目的語の切れ目
- 「原因」と「結果」、「理由」と「結論」、「前提」と「結論」の間
- 状況や場の説明と、そこで起きていることの間
- 場面や時間が変わるところ
- 逆説に変わるところ
- 2つ以上の項目を対比させる時
- 隣り合った修飾語の間に予想外の関係性を生じさせたくない時
- よく使われる別の意味と区別したい時
- ひらがな、漢字、カタカナなど同じ表記が連続するとき
3:正しく書く
単語や慣用句の誤用を避け、正しい文法を用いることは、明快な文章が満たすべき最低限の条件である。
- 正しい文法を使う
- 主語、述語、目的語、受動、能動、時制など、文法の間違いはわかりにくい文章の原因となる。
- 必要な助詞を省かない
- いわゆる「てにをは」を省くと文章が不明瞭になる場合がある。
- 口語と文語を区別する
- 「ら抜き言葉」や「〜になります」など、定着度が低いと思われる口語は文章を書く際に用いない。
- 論理や因果関係を見直す
- 文章中に矛盾が生じていないかどうかを確認する。
4:読み手の立場で書く
読み手が容易に理解できる文章を目指す。そのためには読み手の立場にたって文章を書いたり、書いた後に客観的に評価したりする必要がある。
- 具体的に書く
- 抽象的な表現ではなく、それを示す具体的な例を挙げる。
- 強調する言葉の多用を避ける
- 「とても」や「すごく」などの多用は読み手に不快感を与えることがある。
- 読み手のリテラシーを推測する
- 文章で取り上げている内容について、読み手がどのくらい知っているかを想定して文章を書く。
- 「読み手を待たせる」「読み手を裏切る」「読み手への謎かけで終わる」は禁止
- 読み手は待たされるのも、期待した内容ではないことも、謎かけされたまま終わるのも好まない。
5:視覚的に書く
文章デザインにおいて 最も簡単に実践でき、同時に最も怠りがちなのが「目で見てもわかりやすい文章を書く」ことである。
- 括弧、句読点を適切に使う
- 句点は文末に、読点は上記のような望まれる箇所に、括弧はセリフや考えなど、視覚的な区切りとして用いる。
- cf.伝わりやすい文章を書く
- 段落、インデント、ホワイトスペース、行間を効果的に使う
- 段落、インデント、ホワイトスペース、行間で「内容が変化したこと」を視覚的に示す。
- 文章のノイズを少なくする
- 過剰な情報量や装飾を避け、ノイズの少ない文章を書く。
- cf.情報のSN比
参考
記事のデータ
文責 | |
---|---|
公開日 | 2012年10月18日 |
カテゴリー | |
タグ | おすすめ/情報を表現する/技術と手法/文章デザイン |
関連する記事 |