図と表

図と表は情報のインプットからアウトプットまで、すべての知的作業を強力にアシストする。図解のメリットを理解し、図と表の種類を把握することで、適切な図や表を選択できることを目指す。
図と表が有効な場面
図と表は、データの分布や推移、内訳をみたり、データ間で比較したりするのに有効である。プレゼン、報告、企画、分析、広告、読書、学習など、知的作業のあらゆる場面で役に立つ。
- 情報のインプット(理解)
- 情報の加工と再構築(企画)
- 情報のアウトプット(伝達)
図と表の分類
データを整形してわかりやすくする最も簡単な手段が「箇条書き」である。これを系統毎に分類し、罫線で区切ると「表」になる。さらに、点、線、面を使ってビジュアライズすると「グラフ(図表)」となる、
箇条書き | 論理的に整理された文章 | |
---|---|---|
表 | データの構造や意味を整理し、系統毎に表す | |
グラフ(図表) | 数字データを点、線、面で視覚化 | |
図解 | 論理図解 | 概念の構造や関係を示す(例:ベン図など) |
物理図解 | 物理的な対象を写実的に模す(例:構造図など) |
図解、図表にいたる3つのフェーズ
- フェーズ1:データの羅列
- 生データ。整理されていないデータや文章。
- フェーズ2:箇条書き、表
- データや文章をルールに従って整形、整列したもの。
- フェーズ3:図解、グラフ(図表)
- データや文章を点や線、面を使って視覚化したもの。
上位のフェーズへの変換指針
- 「文章、データ」から「箇条書き」へ
- データの傾向や文章の要点を書き出すと箇条書きにできる
- 「箇条書き」から「表」へ
- 数字や共通項目が多い箇条書きは表にできる
- 「表」から「グラフ(図表)」へ
- 数字主体の表はグラフにできる
- 「箇条書き」から「論理図解」へ
- 箇条書きの各項目に相関関係があれば図解にできる
- 「表」から「論理図解」へ
- 数字主体ではない表は図解にできる
- 「グラフ(図表)」から「論理図解」へ
- グラフ(図表)の要点を強調して描くと図解にできる
図と表のメリットとデメリット
メリット
- 情報のインプット、情報の加工と再構築におけるメリット
- 概要を素早く理解できる
- データの羅列からは読み取れない傾向を読み取ることができる
- 相互に絡み合う関係や構造、流れを整理できる
- 情報のアウトプットにおけるメリット
- 文章では伝えにくい複雑な内容を明快に、効果的に伝えることができる
- 論点に集中でき、情報を早く伝えることができる
- 論点が明らかになり、情報を正確に伝えることができる
- 興味を持ってもらえる
- 少ないスペースで多くの情報を伝えられる
デメリット
- 作成者のフィルターを介した情報のため、偏っている可能性がある
- データの範囲や見せ方を工夫することで印象を操作することができる
- 本来相関関係の無いデータに相関を見いだす可能性がある
図と表を上手く使うには
- 取り上げるデータの範囲に気をつける
- 都合の良いデータを切り取って図や表にまとめることを避ける
- 内容や目的に応じて「種類」を選ぶ
- 箇条書きですむ内容を無理に図解する必要は無い
- 表現の工夫をする
- 色による強調、タイトルや凡例の設置など、客観的なわかりやすさを大切にする
参考
記事のデータ
文責 | |
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公開日 | 2013年7月31日 |
カテゴリー | |
タグ | おすすめ/ビジュアルデザイン/情報を伝える/情報を整理する/情報を表現する/意図した通りに伝える/文献調査/構造化 |
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