優れた指示とは

指示の善し悪しや精度はプロジェクト全体の出来不出来に大きく関わる。「指示」を構成する要素について考え、そこから優れた指示とはどんなものなのかを考える。
指示の種類
指示を時間で分類
- 過去に関する指示
- 知識を伝える、受動的
- 現在に関する指示
- 操作説明、レシピ、組み立て説明書、今すぐ行動することを要求
- 未来に関する指示
- 利害関係や人間関係、暗示的な指示
指示をタイプ/粒度で分類
- 目標タイプの指示/おおまかな指示
- 完成品を示すもの
- 例)売上を伸ばせ
- 作業タイプの指示/細かい指示
- 目標に近づく手段や段階を示すもの
- 例)会議を調整しろ
指示の構成
行動を促す指示は次の部品から構成されている。
- 意図(理由)
- 目的(行き先)
- 核心(手順)
- 時間(所要時間)
- 見込み(目印)
- 失敗(警告)
例
食事会を開催する場合の例。
- 意図(理由)
- 食事会を開きます
- 目的(行き先)
- 我が家まで来て下さい
- 核心(手順)
- 神戸駅が最寄り駅です
- 時間(所要時間)
- 駅から歩いて10分ほどです
- 見込み(目印)
- 郵便局の横です
- 失敗(警告)
- バス通りに出たら行き過ぎです
指示を与える前に確認すべき項目
明快さ
- 目的がはっきりしているか
- 指示を受ける人間が理解できる内容か
- 指示を出す意図と必要性が伝わるか
手段
- 指示についてするべき仕事を把握しているか
- 指示を受けた人間が理解できるよう段取りを説明できるか
基準
- 指示の実行のあいだ、目印となるものがあるか
- 失敗を自覚できる手段があるか
- 失敗を容認できるか
あそび
- 手段にバリエーションがあるか
- 失敗を容認できるか
優れた指示とは
- 取るべき行動があきらかである
- 全体の目標に合致する
- 投資に対する見返りが目に見える
- 理解しやすい構造になっている
- 最適な表現手段を使っている
- 目的達成のための道筋に幅がある
- 具体性を持って視覚化できる
まとめ
優れた指示はチームやグループの活動を円滑にすすめる潤滑油となる。また、全てのコミュニケーションは「指示」であるともいえる。指示の受取方には立場や経験に応じて差があることを理解する事も大切である。
参考
記事のデータ
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公開日 | 2015年4月2日 |
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タグ | 情報を伝える/意図した通りに伝える/技術と手法/経営とビジネス |
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