WordPressのコンテンツデザイン

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WordPressでWebサイトを構築する際に知っておきたいコンテンツデザインの知識をまとめた。第20回:WordBench神戸「基礎復習編その1」の発表資料をベースに加筆。

WordPressのコンテンツデザイン

一般的なコンテンツデザインのフロー

  1. コンテンツの選択基準を決める
  2. コンテンツを選ぶ
  3. 情報設計する
  4. コンテンツを埋没させない方法を考える

フローに基いて、WordPressのコンテンツデザインを考える

コンテンツの選択基準を決める
コンテンツデザインのための戦略立案
コンテンツを選ぶ
提示すべきコンテンツの決定
情報設計する
コンテンツ同士のつながりを考える
WordPressでの情報設計
コンテンツを埋没させない方法を考える
LATCHとチャンキング
コンテンツへの誘導を考える

コンテンツデザインのための戦略立案

WordPressはあくまでもブログやWebサイトを構築するツールのひとつであるので、そのシステムの制限を考慮しながらコンテンツデザインをする必要はない。「WordPressの特徴や制限」は「Webサイトの目的」に勝るものではない。Webサイトの戦略立案は次に挙げる5つの段階で行う事ができる。

戦略立案の5ステップ

  1. Webサイトの目的の設定
  2. ターゲットユーザーの定義
  3. ユーザーニーズと心理の想定
  4. ユーザー環境の定義
  5. ユーザー行動シナリオの策定

cf.Webサイト戦略の立案

提示すべきコンテンツの決定

戦略に基づいて必要と思われるコンテンツを判断し、必要な情報を集め、取捨選択する。
その際、Webサイトの目的達成に対して必要十分なコンテンツを準備しなければならない。
情報の過不足は「MECE」のルールに基づいて確認する。

cf.MECE 重なりなく、漏れなく

コンテンツ同士のつながりを考える

選び出した各コンテンツがどのような構造を取るべきなのかを考える。
情報は7種類の構造を取りうる。

cf.7種類の情報構造

WordPressでの情報設計

ここまでの過程で提示すべきコンテンツと、そのコンテンツ同士がどのような情報構造になっているかが明確になった。ここで、その情報構造がWordPressで再現できるかどうかを考える。そのためにはWordPressの情報構造を担う「投稿」「固定ページ」の考え方や、タグとカテゴリーの違いなどを知っておく。

投稿か固定ページか?

投稿固定ページ
時系列ありなし
同格の情報量多い場合少ない場合
カテゴリーやタグでの分類
ページテンプレート
更新頻度高い低い

固定ページでも親子関係をもたせることはできるので、浅いカテゴリー構造を持たせることはできる。

カテゴリーかタグか?

カテゴリータグ
排他的指定
複数指定
階層構造
該当するページ数ほぼ均等ばらばら
一覧表示の有意性

「排他的指定」と「複数指定」は同じ基準を指す。一つの投稿を複数のカテゴリーに属させることはできるが、情報設計の観点から見るとあまり好ましくはない。

仮にWordPressを使って情報構造の再現することが難しい場合は、他のツールやフレームワークの使用も検討する。同時に、プラグインの利用などにより、WordPressの特徴や制限が変化することも知っておく。

「マジックナンバー」を遵守する

人が短期記憶できる「情報のかたまり」の数は4±1(または7±2)である。

cf.チャンキングとマジックナンバー

例えば、以下に挙げた項目の数をマジックナンバー内に収められると、準備したコンテンツが網羅的に閲覧される可能性を向上させることができる。

  • カテゴリーの種類
  • Webサイトの階層
  • グローバルメニューに掲載する項目数
  • サイドバーなどに一度に表示するバナーの数
  • アーカイブページで一度に表示する投稿の数

LATCHとチャンキング

コンテンツへの誘導を考えるにあたり、LATCHとチャンキングの考え方を頭に置いておく。

LATCHとは?

全ての情報は次の5つの基準によって組織化できる。

  1. LOCATION(位置)
  2. ALPHABET(アルファベット)
  3. TIME(時間)
  4. CATEGORY(分野)
  5. HIERARCHY(階層)

cf.LATCH 情報を5つの基準で組織化する

チャンキングとは?

既存の情報をまとめるだけで、新たな価値が生じる。

cf.チャンキングとマジックナンバー

コンテンツへの誘導を考える

これまでのフローでまとめたコンテンツ群は、「MECE」に準じたはずなので、全て「みてもらうべきコンテンツ」であるといえる。しかしページ数が多くなったり、情報設計がうまくいっていないと、各コンテンツへの誘導がうまく行かなくなる。

コンテンツを埋没させないために、組織化したコンテンツ群を適切に提示し、それを以って各コンテンツへの導入口とすることができる。時系列やタグ別、アクセス数順などの組織化がそれに相当する。全コンテンツを横断的に組織化する際には、LATCHの基準を用いると、誘導に効果的な組織化をみつけることができる。また、コンテンツをいろいろな基準で組織化するだけで、新たに価値のある情報が生まれる可能性がある(チャンキング)。

WordPressで実現できるコンテンツの組織化

  • カテゴリー、タグ(CATEGORY)
  • 月別アーカイブ、投稿の時系列順表示(TIME)
  • サイトマップ、パンくずリスト(LOCATION、プラグインやPHP等で実装)
  • おすすめ順、アクセス数順、SNS評価順(HIERARCHY、プラグインやAPI等で実装)

その他の組織化についても概ね上記の4つに分類することができる。このことから、WordPressで実現できるコンテンツの組織化には「ALPHABET(アルファベット)による組織化」が欠けていることがわかった。

LATCHの「A」を組織化に使ってみる

WordPressでは、極論すればWebサイトでは、「アルファベット順」や「あいうえお順」でコンテンツをまとめ、紹介する手法がほとんど見られない。投稿のタイトル順や商品名順で並び替えることはできるが、コンテンツの主題に習熟していないユーザー(そのサイトで提供したい情報、商品、サービスなどの初心者)にはあまり有効な組織化ではない。

同様に「フリーワード検索」についても、適切な検索キーワードが思いつかない可能性が大いにあり、LATCHの「A」を担う組織化の方法であるとは考えにくい。

cf.Webユーザビリティーの問題を分類する

「索引」という組織化

本の巻末などに掲載される「索引」は、文章中の単語やその同義語、関連語など、その文章を読むべきユーザーに対する適切なキーワードを並べたコンテンツである。

cf.索引のすすめ

索引の実装にはそれなりの手間がかかるが、コンテンツへの誘導手段が充実すると同時に、情報構造の洗練だけでは到達できなかったセマンティックなWebサイトを実現することができる。

cf.セマンティックウェブ

まとめ

  • 戦略が決まるとコンテンツがみえてくる
  • コンテンツは必要十分なものを
  • WordPressが取りうる情報構造の特徴を知る
  • プラグインの利用などによりWordPressの特徴や制限は変化する可能性がある
  • LATCHで情報を組織化して、効果的に誘導する
  • Webでも「索引」は有効である

参考

記事のデータ

文責IDIA.JP
公開日2013年2月10日
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