ファミコンから学ぶ情報デザイン・1

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ファミコンから学ぶ情報デザイン

ファミコンのヒットゲームには、参考にするべきデザインや表現、情報伝達の方法が数多くみられる。

ドラゴンクエスト

ゲーム名
ドラゴンクエスト
メーカー
エニックス(現スクエアエニックス)
発売年
1986年
国内販売本数
150万本
ゲーム概要
家庭用ゲーム機では初となる本格的ロールプレイングゲーム(RPG)。プレーヤーは伝説の勇者「ロト」の血を引く新たな勇者として、「竜王」にさらわれた姫を救い出し、竜王を倒すことが目的である。

オリエンテーション

オリエンテーション

ゲームは王様の部屋から始まる。そこでプレーヤーは王様から「旅の目的」と「宝箱」についての情報を教えられる。その後、同室の兵士達から「さらわれた姫」「宿屋」「鍵」「最初の目的地」についての情報を得る。鍵を手に入れ、部屋を出るまでにゲームに関する基礎的な知識を学ぶことができる。

ポイント

行動を制限する
ユーザーの行動を制限することで、「次に何をするべきか?」というユーザーの「迷い」を消すことができる。制限を徐々に解除することで、さらに広範で深度の深い情報に抵抗なく接することができる。
例)フォームにおいて、必要条件を満たすまで「送信」ボタンを表示しない(クリッカブルにしない)
例)「買い物かご」の場面ではグローバルナビゲーションなどを表示しない
シンプルに伝える
情報はシンプルに伝える。特に、ユーザーが煩わしいと感じる「ルール」や「決まりごと」は、できるかぎり簡潔な表現方法を採用することで、ユーザーの認知度を上げ、負担を下げる事ができる。
例)読点で接続した長い文章より、句点で区切られた短い文章の集合のほうが伝わりやすい
例)「特定商取引に関する表記」や「返品に関する規約」を箇条書きで表記する
cf.シンプル

フィールド

フィールド

城から外に出ると、プレーヤーの行動可能範囲は一気に広がる。前述のオリエンテーションでは近くの街で武器、防具を揃えることを勧められており、プレーヤーは右上の街へと移動する。道中、画面右下に別の城を見て取ることができる。これは海で隔てられており、すぐに向かうことができないが、最終的に向かうことになる「竜王」の居城である。

ポイント

次にすべきことを分かりやすく示す
選択肢の多い場面では、ユーザーが選ぶべきものを分かりやすく提案する。
例)ブログでは「新しい投稿」や「人気のある投稿」の一覧を設け、目立たせる
例)Webショップでは「おすすめの商品」や「人気の商品」を提案する
最終目的を表示する
最終的に達成させたい事柄や伝えたい情報をあらかじめ表示することで、ユーザーのモチベーションを高め、面倒な気持ちや不安を払拭する。
例)ユーザーからの問い合わせを目的とするサイトでは、「電話番号」や「問い合わせフォームへのリンク」を常に目立たせて表示する
例)買い物かごでの情報入力画面では「現在全過程のどの段階にいるのか」を示す
例)文章は先に結論を記述すると、多くの人に読まれやすい

バトル

バトル

RPGの戦闘ではたくさんの情報の提示と、複雑な命令のやり取りが行われる。画面中に複数の「ウインドウ」を配置し、それぞれに「プレーヤーの状態」「命令(コマンド)の選択肢」「履歴の表示」という役割を与えている。攻撃が成功したときはモンスターのグラフィックを明滅させ、逆にダメージを与えられたときは画面全体を振動させることでそれを表す。また、体力の低下に伴い、画面上の白文字を赤に変化させ、危険な状態であることをユーザーに示す。

ポイント

情報は種類ごとに分けて表示する
情報を種類ごとにブロック化する。多数ある情報を理解しやすくなる。
例)Webサイトをヘッダー、フッター、サイドバー、コンテンツに分けて構成する
例)本棚の棚ごとに並べる本のジャンルを変える
cf.LATCH 情報を5つの基準で組織化する
色やアニメーションで状態を示す
情報の変化に応じて、グラフィックを変化させる。
例)Webショップで売り切れた商品の写真を目立たないようにする
例)「読込中」を示すアニメーションを用いる

その他

その他

城や街、フィールドでそれ以上進むことができない場所では壁に当たった音を出して知らせる。ウインドウで項目の選択が完了した際は「ピッ」という電子音を鳴らす。ダンジョンでは階層ごとにBGMの音程やテンポを変化させる。街の人などとの会話中は電子音を鳴らし、会話中であることを示す。会話中の効果音は男性、女性、老人などで分ける(ドラゴンクエストでは未実装)。

ポイント

ユーザーのアクションに対して応答する
ユーザーのアクションに対してアニメーションや色の変化、音などで応答する。
例)リンク部分はマウスオーバーやクリックで色を変える
例)タッチパネル方式の入力デバイスではボタンを押すごとに電子音を鳴らす
音で情報を伝える
情報入力や操作の結果を音で示す
例)パソコンの起動を音で知らせる
例)注意するべき操作にはアラート音で注意を促す

まとめ

ファミコン全盛期の1980年代、ROMの容量やハードの処理速度、入力デバイスなどに大きな制限があった。そんな中、様々な工夫によって使い勝手や心地良さを追求したゲームが数多く開発され、いくつかのゲームが爆発的にヒットした。ヒットしたゲームは、ゲームの内容(情報によって得られる楽しさ)もさることながら、ユーザーエクスペリエンスの高さ(情報の得易さや心地良さ)が評価されたとも考えられる。

参考

記事のデータ

文責IDIA.JP
公開日2011年7月7日
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