マンガと情報デザイン・5(吹き出しと描き文字)

IDIA.JP > レポート > マンガと情報デザイン・5(吹き出しと描き文字)
マンガと情報デザイン

コマと並んで、マンガをマンガたらしめる要素が「吹き出し」と「描き文字」であるといえる。音のないマンガの世界に命を吹き込む2つの手法についてまとめた。

吹き出し

マンガでは吹き出し(スピーチバルーン、パフとも)による発話の表現が定番となっている。基本的な風船型の吹き出しは先端が発話者を指し、誰の発言かわかるようになっている。吹き出しの形によって話している内容や状況の変化を表すこともできる。

吹き出し

吹き出しの種類

風船形、ダルマ型 通常の会話で用いられる。
多角形型 まじめでかっちりとした印象を与える。
波型 動揺、不安な様子。
破裂型 大声を表すことができる。
雲型 くつろぎや安らいだ状態での発話。
四角形 発話者の頭の中を表現。
放射型 テレパシーや人間以外の発話。
通信型 電話やトランシーバーなどの通信機器を介しての会話。
泡型 想起している様子。
象徴型 物語を象徴する小道具に描かれる。ナレーションの役割が強い。
無形型 ナレーション、または冷めた様子を表現できる。

吹き出しの工夫

吹き出しは一コマあたり、1人につき一つとは限らない。発言量が多くなる場合は、複数の吹き出しを使用したり、それらが融合したりする場合もある。また、吹き出しが発話者に対して前に描かれるか、あるいは後ろに描かれるかで表情と発言内容のどちらが重要かを示すこともできる。

描き文字

「ドカン!」や「ザクッ!」などの音を表すものから、雰囲気、人物の心理まで、描き文字が担う役割の範囲は広い。

オノマトペ

日本語はオノマトペ(オノマトペアとも)、つまり擬音語や擬声語、擬態語が豊富な言語である。音の表現が難しい紙媒体のマンガが日本で発展した理由の一つがここにあるかもしれない。マンガの中で生まれた新しいオノマトペが実生活や他のメディアに波及する現象も起きている。

描き文字の特徴

  • 文字の大きさは音の大きさに比例する
  • 描き文字の方向は音や動きの方向と一致する
  • 描き文字の太さは音の高低に従う
  • 描き文字の塗り方や模様で音の種類を表現する
  • 描き文字の両端が細いと光や閃光を表現できる
  • 周辺がかすれた描き文字は勢いや激しさを表現できる
  • 周辺が虫食いの描き文字はコミカルさを演出できる
描き文字

まとめ

  • 吹き出しで台詞を表すことができる
  • 吹き出しの形で発話者の感情を表現できる
  • 描き文字で擬音語や擬声語を表現できる
  • 描き文字の描き方で音の種類を表現できる

参考

記事のデータ

文責IDIA.JP
公開日2012年12月13日
カテゴリー
タグ
関連する記事

記事を共有する