効果的に伝える戦略

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効果的に伝える戦略

論理的に正しいことであっても、相手に伝わらなければ意味が無い。論理思考が伝わらない理由を理解し、相手のタイプに応じて適切な対応を取るべきである。「論理思考の「壁」を破る」から抜粋して加筆。

「伝わらない」が起こる理由

  • 解決しようとしている問題が違う
  • 持っている情報が違う
  • 情報から得られた結論が違う
  • 経験、立場、目標が違う
  • 時間軸が違う
  • 感情が違う

解決しようとしている問題が違う

そもそも、解決しようとしている問題が異なる場合。会議の前に議題を設定していない場合や、立場、目標が異なる場合などに起こりやすい。

持っている情報が違う

問題解決や仮説の作成に用いる情報や事実が異なる場合。知識、年齢、経験が異なる場合に起こりやすい。

情報から得られた結論が違う

問題解決や仮説の作成に用いる情報や事実は同じでも、それを展開するロジックが異なり、得られた結論が異なる場合。双方に論理思考の経験が十分にある場合に起こりやすい。

時間軸が違う

問題解決までの期限や、問題解決に必要な時間の想定が異なる場合。技術、経験、性格が異なる場合に起こりやすい。

感情が違う

変化によって得られる結果に対する感情が異なる場合。単純に変化することを好まない保守的な相手との間で起こりやすい。

「伝わらない」相手の3つのパターン

論理思考が伝わらない相手は、大きく分けて次の3つのパターンに分類される。

  • 結論押付型
  • 思考停止型
  • 視野狭窄型

結論押付型

結論だけ主張して、ロジックが抜けるタイプ。論理的思考に慣れていない事が多い。一方で、経験に裏打ちされた「勘」(=暗黙知)が鋭いため、論理思考で導いた結論と同じ結論を導出する場合も。

  • 「いいからやれ!」が口癖の人。
  • 人に対して「理屈っぽい」と思ってしまう人。
  • 考えるのが面倒な人。

思考停止型

事実から意味合いを引き出さないタイプ。情報や事実の羅列だけで満足してしまう。自分が出す結論に自信が無かったり、相手の方が良い結論を出しそうだ、と考えている場合など。あるいは結論を出し、責任を取るのが怖い場合もある。

  • 現場を知らない評論家タイプの人。
  • 議論の中で反例ばかり挙げる人。
  • 仮説や例え話で物事を考えられない人。

視野狭窄型

偏った事実しか見ないため、解決の方向性をミスリードするタイプ。専門分野には詳しいが、それ以外の分野に興味が無い。

  • 職人気質の人、プライドの高い人。
  • 経験が豊富であったり、年齢や役職が高い人。
  • 「自分の仕事以外はやる必要が無い」と思う人。

伝えるための2つの論理構成

上記のような「伝わらない相手」には、「感情的な配慮」はもちろんのこと、論理思考で用いた「結論」「ロジックと判断基準」「情報」の中で、どれにウェート付けしながら伝えるべきかを考える必要がある。大きく分けて、2つの論理構成が考えられる。

  • 単刀直入型
  • 起承転結型

単刀直入型

結論から伝える方法。結論に対する根拠や、解決法に対する具体策を紐付けて伝える。

特徴
  • 信頼関係のある相手に適している
  • ロジックの構成が単純なので、インパクトを持って論点を伝えられる
  • 時間が無い場合にも結論と理由を明確に伝えることができる
  • 拒絶反応が予測される相手には使用できない
相手別の対応
結論押付型
議論が成り立たないことが多い。
思考停止型
結論などを最初に伝えられるので、相性が良い。
視野狭窄型
議論の入り口として「気付き」を与えられる。

起承転結型

情報や事実から伝える方法。問題定義から一般分析(一般的な見解)、特殊分析(自身の見解や特殊な状況)、結論へと流れるパターンと、問題定義からネガティブ分析(問題解決において否定的な側面)、ポジティブ分析(問題解決において肯定的な側面)、結論へと導くパターン、さらに時系列で伝えるパターンがある。

特徴
  • 理解度の低い相手に有効
  • 拒絶反応が予想される相手にも有効
  • 相手から同じ結論を自発的に生み出させることも
  • 伝えるまでに時間がかかるため、スケジュール管理が大変である
相手別の対応
結論押付型
結論へ導くまでのプロセスそのものに価値があり、またその後に建設的な議論ができる可能性がある。
思考停止型
重要では無い周辺の情報に気を取られて、議論が進まない可能性がある。
視野狭窄型
相手が見落としている情報や事実がそれほど多くない場合には、それらをストーリーに組み込むようにする。

まとめ

すべての人が論理思考を(意識しながら)実践しているわけでは無いので、自分が時間をかけて導き出した結論が否定されることは沢山ある。伝わらないからといってあきらめたり、相手を批判するのでは無く、それを受け入れさせるテクニックを身につけてはじめて、論理思考が力を発揮することができる。

参考

記事のデータ

文責IDIA.JP
公開日2014年9月1日
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