図解表現の基礎知識

「良い図解表現」と「悪い図解表現」を判断し、実践するための基本をまとめた。「ウォールストリート・ジャーナル式 図解表現のルール」から抜粋して加筆。
図解表現とは
図解表現とは、図形やグラフ、イラストなどを用いて、情報、データ、知識を視覚的に表現することをいう。図解にすることで、複雑なデータや文書、概念までも、わかりやすく表現することができる。また数字で構成されたの情報をわかりやすく、ストーリー立てて伝えることができる。インフォグラフィックス、インフォメーション・グラフィックスとほぼ同義。
図解表現の価値
図解表現は伝達するための手段の一つである。図解表現の価値は内容で決まる。
- 図解表現の価値はデータの多さによるものではない
- 図解表現の価値は色や装飾の豊富によるものではない
- 図解表現の価値は内容が適切に伝わってはじめて生まれる
- 図解表現の価値はデータが間違っていると下がる
図解表現を使う上で重要な3つの要素
- 充実した内容(図解表現に意味を与える)
- わかりやすい表現(解釈を助け、要点を伝える)
- 洗練された伝え方(図解表現の本来の力を引き出す)
わかりやすい図解表現の基礎
図解表現のわかりやすさは文字と色使いによるところが大きい。ついで、デザインや分析内容による。
- 文字
- 文字に角度をつけない、縦書きにしない
- 字間をあけすぎない
- 装飾的すぎるフォントは使わない
- アルファベットは全て大文字で用いない
- 白抜きなどは避ける
- 斜体+太字など複数の装飾をしない
- 目盛りの数字を太字にしない
- 太字は強調したい箇所だけに用いる
- 色
- 同じ種類のデータを扱うのに複数の色を使わない
- 複数のデータが存在するグラフでは色を多くするよりも同系色のグラデーションで
- 特定のイベントやテーマを想起する色使いはやめる
- 補色を乱用しない
- 青は保守、明色は積極性等色の持つ情報を意識する
- 赤を正の数に適用しない
- コントラストを高く保つ

でき上がった図解表現はプリンターで印刷し、コピー機で「縮小コピー」や「白黒コピー」した後でもただしく情報が伝わるかどうか確認する。
効果的な図表の作り方
1:調査
- 信頼できる情報源をリソースとする
- 公平性を損なわないよう、独立した情報源からデータを引用する
- 必要であれば許可を取りながらデータを使用する
2:編集
- 鍵となるメッセージを決める
- ポイントを1番上手く伝えられるデータを選ぶ
- 要点を絞ってデータを抽出する
- ポイント強化するための表現方法を選ぶ
3:作図
- 一番効果的なタイプの図表を選ぶ
- 図解表現に補足説明を付ける
- メッセージを強調するために適切な色やフォントを活用する
cf.グラフの種類と選び方
4:見直し
- 図解表現とデータの整合性を確認する
- 客観的にみて筋が通っているか確認する
- 読み手の目線で客観視してみる
- 他の情報源との矛盾がないかを確認する
- 必要であれば図解表現の正しさを専門家に確認する
参考
記事のデータ
文責 | |
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公開日 | 2013年2月15日 |
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タグ | おすすめ/ビジュアルデザイン/情報を表現する/意図した通りに伝える/技術と手法 |
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