トリアージ

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トリアージ

物事の優先順位は「プライオリティ」の高低で表現する事が多い。優先順位をより厳密に見極める「トリアージ」の考え方と、実際にそれを実践する際の注意点をまとめた。

トリアージとは

トリアージ(トリアージュとも)は「triage=選別」というフランス語に由来する。一般的には、災害医療の際に用いられる「医療トリアージ」を指す。医療トリアージでは、人員や物資などが明確に不足する状況下で、最善の結果(より多くの命を救うこと)を得るために、傷病者に治療を施す優先度を決定して選別を行う。

「通常時の資源では対応できない状況」は、災害現場や医療現場以外でも起こりうる。トリアージの考え方を用いれば、非常時に被害を最小限に抑え、それ以上トラブルが深刻化することを防ぐことができる。

プライオリティとの違い

客観的である
プライオリティは優先すべき事柄を現場で随時判断する。トリアージは常時に基準を定義し、非常時に専門の担当者がそれを判断する。
見直しが行われる
プライオリティが一度決まると、その判断が大きく間違っていない限りプライオリティの高低が変動することはほとんどない。一方、トリアージでは延々と優先順位を見直す事が求められる。
切り捨ての可能性がある
プライオリティが低いものは優先こそされないが、いずれは対応されるフローに含まれる事が多い。トリアージでは、対応の必要がない判断したものがそのまま手をつけられずに終焉することもある。

トリアージの例

医療におけるトリアージ

災害現場
助かる見込みのない傷病者や軽傷の患者よりも、処置を施すことで命を救える患者に対する処置を優先する。
救急業務
救急要請があった際、すぐに救急車を手配するのではなく、その緊急性を判断し救急搬送するかどうかを決める。

ビジネスにおけるトリアージ

殺到する案件
利益率やリピート率の高いクライアントを選別し、優先して対応する。
経営が不振な際のリストラ
投入する資本や人材と得られる利益のバランスを考慮しながら、事業を整理する。

プログラミングやデザインにおけるトリアージ

システムに見つかったバグの対応
致命的なバグを選別し、優先して対応する。
納期まで時間が無い場合のデザイン制作
全体の印象を左右する、影響の大きい箇所を優先的に制作する。

トリアージのメリットとデメリット

メリット

最善の結果が追求される
被害を最小限にとどめることができる。
進捗する
続々と生まれる問題や課題を順次解決のフローに乗せることができるので、物事が前に進むきっかけとなる。

デメリット

選別、優先順位付けが不快
感情を無視して順位付けを行うので、担当者の心的負担が大きい。
判断が必ず正しいわけではない
災害時の医療トリアージでは、70%以上の傷病者に適正なトリアージが行われれば成功の部類に入ると考えられている。

トリアージを上手く進めるポイント

要素の洗い出しを丁寧に

選別するにあたって、対象に抜けや漏れ、重複があってはいけない。トリアージする要素はMECEである必要がある。

できるかぎり何度も繰り返し査定する

状況の変化に対応するために、できるかぎり何度も査定する必要がある。何度も繰り返すことで精度を上げ、最善の結果に近づけることができる。

基準や様式の策定と見直し

誰が担当してもほぼ同じ結果が得られるよう、トリアージの基準を策定し、常に見直す。またそれを運用するための方法についても、社内や業界内で統一し、随時見直す。

トリアージは専門の担当者が行う

トリアージは可能であれば実務担当者以外が行う。実務を理解し、トリアージを専門にする「トリアージオフィサー」を置く。

責任を負わせない

トリアージは非常時に導入される可能性が高い。トリアージが直接的な原因となって起こった被害や損失に対する責任を追及するのではく、トリアージの査定基準の見直しや運用方法の見直しに時間をかける方が有意義である。

まとめ

選別したり優先順位をつける作業は難しく面倒な作業だが、結果や進捗に与える影響は非常に大きい。また選別や優先順位付けは意思決定そのものであるともいえるため、経験や知識が必要なものである。しかし、非常時には誰もがトリアージオフィサーになれることが望ましい。常時にトリアージの査定基準をしっかりと考え、非常時に運用できる体制を整えておくことが重要である。

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記事のデータ

文責IDIA.JP
公開日2014年4月26日
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