ワコム Intuos Pro medium PTH-651/K0

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ワコム Intuos Pro medium PTH-651/K0

データ

メーカー
ワコム

レビュー

概要

ペンタブレットの代名詞的存在。プロクリエイター用ペンタブレットとして完成度を高めた。

「Intuos」と「Intuos Pro」

おそらくペンタブレットの購入を検討した誰もがワコム社のペンタブレットを最終候補に残し、さらにその中でも「Bamboo(今回からIntuosブランドに統合)」にするか「Intuos(今回からIntuos Proに変更)」にするかで煩悶するはずだ。筆圧検知のレベルや傾き検出の有無、ON荷重などを比較するものの、価格が高い方が性能が良い、という想像通りの結果にさらにやきもきすることになる。

「Intuos Pro medium」と「Intuos pen & touch medium」を比較
Intuos Pro(旧Intuos)Intuos(旧Bamboo)
ワコムストア価格34,800円18,980円
読取可能範囲223.5×139.7mm216.0×135.0mm
読取分解能最高0.005mm最高0.01mm
読取精度±0.25mm±0.5mm
読取速度最高200ポイント/秒最高133ポイント/秒
読取可能高さ10mm7mm
筆圧レベル最高2048レベル最高1024レベル
傾き検出レベル最高±60レベル
ファンクションキー数8つ4つ
ワイヤレス機能ありオプション

今回「Intuos Pro」を手にして、自分がこれまで使用したいくつかの(安価な)ワコム製ペンタブレットとの一番の違いが「描き心地の良さ」であることに気がついた。ペンと画面の引っかかり具合が絶妙なのだ。さらに、付属する多彩な(4種類)ペン先で好みの描き味に調整することもできる。この描き心地の良さを理由に、紙に描くことに慣れたユーザーには「Intuos Pro」をおすすめしたい。逆に、これから絵を描いてみよう、と考えているユーザーや、すでにペンタブレットでの作業に慣れているユーザーは「Intuos」でも十分と感じるケースもあるだろう。

描き味以外に判断基準を挙げるとすれば、「ファンクションキー」の数である。PhotoshopやIllustratorを利用するユーザーの多くはキーボードでのショートカットを多用していると思われる。キーボードが無い状況で描くのは正直つらいだろう。ペンタブレットでは、特にサイズが大きくなればなるほど、キーボードとの併用が難しくなる。そんな状況で役立つのが「ファンクションキー」である。キーボードのショートカットに慣れたユーザーで、キーボードとペンタブレットとの同時使用が難しい場合は、「Intuos Pro」を選ぶべきだろう。

予算が許せば、液晶画面付きのペンタブレット「Cintiq」も気になるところだ。ワコムとしてもペンタブレットのフラッグシップシリーズとして扱っているようだが、「Intuos Pro」にアドバンテージがある3つのポイントを紹介したい。1つめは「画面の温度」である。Cintiqの画面は液晶による発熱が多少あり、長時間作業すると不快に感じる場合もあるだろう。2つめは前述の「描き心地」である。ガラスの厚みや、表面の処理によって、慣れを考慮したとしても総合的な描き心地は「Intuos Pro」に軍配が上がると思われる。3つめはやはりその価格だ。液晶タブレットは安価な物でも10万円弱と、パソコンの周辺機器にしては高額な部類の商品である。市場の大きさを考えると仕方が無い部分もあるが。

良いところ

前モデルである「Intuos5」が発売されたときに、実際に店頭で触ってみた結果、購入を踏みとどまったのだが、それは「マルチタッチの感度が期待外れだったこと」が理由である。世の中にタブレット端末が普及し、Appleがデスクトップ用に「Magic Trackpad」を投入するなど、マルチタッチの利便性が広く認められてしばらく経過した頃。この状況で反応の悪いマルチタッチ機能を使うのはストレスを感じざるを得なかった。今回の「Intuos Pro」ではその調整が見事になされており、感度だけではなく実際に操作してからのPC側のアクションも素早いため、ほぼストレス無く使うことができる。

また、左側(右利きで描くスタイルの場合)に備えられた各種ファンクションボタンの押し心地も改善されている。90年代の洗濯機を彷彿とさせる「グニュッ」とした押し心地から、しっかりとしたクリック感のあるボタンに変更された。これだけでも旧来のIntuosから買い換える価値があるかもしれない。

さらに、これまではセット商品以外は別売りとなっていた無線接続セットも標準付属となった。充電時間のわりには実働時間が短いと不評だったが、今回は(公称値によると)半日作業を続けても大丈夫なくらいの持続力を実現している。

気になるところ

「Intuos Pro」はイラストレーター、デザイナー、フォトグラファーなどのプロクリエイター向けのペンタブレットであるはずなので、ソフトが付属する必要性を感じない。プロ用ペンタブレットを買う人の多くがPhotoshopなりIllustratorなりのソフトウェアを使用しているはずである。とはいえ、付属ソフトはダウンロードでの提供のため、「もったいない」とか「邪魔だ」などの葛藤が全く起こらないのが救いだ。

今回Intuos(旧Bamboo)がカラーバリエーションをやめた。と思ったら「Intuos Pro」に「Special Edition」なるモデルが提供された。モックアップを見た限りでは、金属ではなく塗装されたプラスチックのカバーが取り付けられただけのようである。使っている内に塗装が薄くなったり、カバーと本体の間に汚れが蓄積するのでは、というのが正直な感想だ。質感的にも実用的にもいまいちな「Special Edition」をすすんで買う理由が見当たらない。

前述のようにペンタブレット自体が小さな市場のビジネスであるためか、ペンタブレットを「より上手く使う」ためのノウハウがほかのデバイスやソフトウェアほど十分に提供されていない。ワコムが提供しているコンテンツもあるにはあるが、大きく分けて「概要を説明する動画」と「プロが制作する様子を撮影した動画」の2種類しかない。興味を持ったユーザーが徐々にステップアップできるような、ペンタブレットをもっと利用したくなるような、そんなコンテンツがあればと思う。

まとめ

ペンタブレットはマウスで描くものとは異なる、「生きた線」を使った絵を掛けるようになる。また写真の編集では、直接手で触るのと近い感覚で編集することができる。PCとの距離が一気に近くなる、不思議なデバイスだ。その「一体感」を感じるのに十分な性能を「Intuos Pro」は備えている。

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文責IDIA.JP
公開日2013年9月12日
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